家を建てたいと思うきっかけは、「夢」よりも「不満」から始まることが多いものです。冬の寒さに耐えたり、子どもの足音や生活音に気をつかったり。
悩みを抱える人今の家がもう少しこうだったらいいのに。



その気持ちこそ、理想の家づくりのヒントになります!
賃貸暮らしで感じたわが家のリアルな不満をもとに、“我慢しない暮らし”を叶えるための家づくりのポイントを解説します。
家づくりの出発点は「不満」からでいい
多くの人が家を建てる理由は、理想よりも「現状のストレス」です。
「冬が寒い」「収納が足りない」「音に気を使う」――。
その一つひとつを丁寧に見つめ直すことで、自分たちの“暮らしの軸”が見えてきます。
- 不満を放っておかず、「次の家ではどうしたいか」に変換する
- 不満イコール理想を導くヒント、と思って家を見渡してみる
賃貸マンションで感じたリアルな「暮らしの不満」3選
1、 冬の寒さに耐える生活
賃貸マンション時代は断熱性が低く、冬の寒さが身にしみました。
特に冷たい鉄製の玄関ドアからの冷気と、下の隙間から流れてくる外気に苦しめられました。
「家の中でも寒い」という感覚は、毎日の快適さを確実に奪います。
しかも、せっかく暖めた空気がスキマから逃げてしまうので、電気代が高い割に快適とは言えない生活でした。同じように困っている方も方も少なくないのでは?



もう寒いのはイヤ・・
冬も安心して暮らせる、あたたかい家に住みたい!
この切実な思いが、家づくりを意識する最初のきっかけになりました。
2、収納が足りない玄関
玄関って、置きたいものが多い場所ですよね。それなのに、マンションには玄関に十分な収納がないことがほとんど。
靴はもちろん、傘や帽子・子どものおもちゃ・台車・ダンボール・マスク・アウトドア用品。
片付けたいのにしまえないというのは、地味にストレスです。どれだけ片付ける気持ちがあっても、場所がなければどうにもなりません。



次の家ではたっぷり収納で、スッキリ片づく玄関にしたい!
と、毎日玄関を眺めては決意していました。
広さよりも使いやすさ。どこに何を置きたいか、動線をしっかり想像しましょう!事前のシュミレーションが自分を助ける鍵です。
3、子どもの足音問題と気疲れ
子どもが遊ぶ音やピアノの練習音に気をつかい、いつも神経を張っていました。防音マットを敷いたり、防音カーテンをつけたり、日中は公園へ行くなどしても不安は消えず…。
直接クレームを言われたわけではないけれど、楽しくて無邪気に走り回る子どもに「静かにして」と何度も注意する自分に疲れてしまうことも。
子どもって、想像以上に体力があります。年齢にもよりますが、はしゃぎ回ってジャンプしたり、大人が注意したって聞く耳を持ちません。ですが集合住宅である以上、まわりの方に迷惑をかけたくないと神経をすり減らす毎日でした。



でも本当は、子どもをのびのびと遊ばせてあげたい!
その気持ちが、家づくりへの大きな動機になりました。
不満を「理想の家づくりの条件」に変える方法


ステップ①:不満を書き出す
まずは1週間、生活の中で感じた「小さなストレス」を書き出してみましょう。
「寒い」「暑い」「ここの収納が足りない」「防犯面が気になる」など、思いつくままに。
ネガティブな感情も、家づくりにとっては大切な材料です。
余裕があれば、リビング・キッチン・お風呂・玄関・寝室など、実際にその場に移動して考えてみましょう。普段見過ごしていた小さな違和感に気づけるかもしれません。
ステップ②:理想の姿を考える
不満を書き出したら、「本当はどうしたいか・どんな暮らしがしたいか」を書き添えます。
| 今ある不満例 | ◎理想の姿 |
|---|---|
| 家の中が寒すぎる | 冬でもあたたかい生活・目覚めた瞬間からあたたかい家 |
| 玄関にものがあふれる | 大容量の玄関収納に、靴だけでなく色々なものを置きたい。 |
| 足音や生活音に気を遣う | のびのび遊べる間取り・防音性の高い家 |
ステップ③:解決策を考える
| ◎理想の姿 | 思いつく解決方法 |
|---|---|
| 冬でもあたたかい生活・起きた瞬間からあたたかい家 | 断熱性の高い家? |
| 大容量の玄関収納に、靴だけでなく色々なものを置きたい。 | シューズクローク・土間? |
| のびのび遊べる間取り・防音性の高い家 | 戸建てなら解決? |
不満を解決するカギは「家の性能」にある
多くの人が感じる家の中の「寒さ」「暑さ」「音」「結露」の問題――。
こうした“暮らしの不満”の多くは、家の性能で解決することができます。
間取りやデザイン性に目が行きがちですが、「家そのものの質」が、快適さを左右します。
その中でも特に重要なのが 高断熱・高気密 という考え方です。
高断熱・高気密「性能が高い家」とは?
家づくりで重要な「性能」とは、家の中の環境を一定に保ち、快適に暮らせる力のこと。
その中でも特に重要なのが、断熱性と気密性です。


🔸 断熱性|高断熱
壁や床、天井などに断熱材を入れて、外の暑さ・寒さを家の中に伝えにくくする仕組みです。
冬はあたたかさを逃さず、夏は熱を遮断。家全体を“魔法瓶”のように保温します。
しっかり断熱すれば、朝起きても寒くない生活を実現でき、冷暖房効率の良い快適な環境になります。
🔸 気密性|高気密
家のすき間をできるだけなくして、空気の出入りをコントロールすること。
・暖めた空気を逃さない
・結露やカビを防ぐ
・外からの騒音を抑える
・室内の音漏れも軽減できる など、音と空気のストレスを大きく減らせます。
高気密・高断熱の家は“音のストレス”も減らせる
高気密・高断熱の家は、外の音を遮り、家の中の音も漏れにくい構造になっています。
これは「気密性」が高いことで、家のすき間が少なくなり、音の通り道が減るためです。


性能で変わる“音環境”の快適さ
高気密・高断熱の住宅では、冷暖房効率が上がって快適に過ごせる以外にもメリットがあります。それは、
- 車の走行音や隣家の生活音が聞こえにくくなる
- 室内の会話や足音・テレビの音が外へ漏れづらくなる
- 隙間が少ないので、室内が静かになる
といった、毎日の生活の質に関わる「音環境」の向上です。
注意点もあり
高気密・高断熱の家は“静かな外部環境”をつくる一方で、
室内の音が反響しやすくなることがあります。
テレビの音や家族の話し声が響くと感じたら、
ラグマットやカーテンなど吸音性のある素材を取り入れるとバランスがとれます。
🎵 静かで快適な暮らしは、性能と空間づくりの両立から。
家の性能を高めることで、日々の「音のストレス」も減らすことができます。
賃貸マンションによくある悩みと、その解決法一覧
| 悩みの内容 | よくある原因 | 持ち家での解決方法 |
|---|---|---|
| ❄ 冬の寒さ 夏の暑さ | 壁や窓の断熱性能が低い、気密性が悪い | 高気密・高断熱住宅にすることで、室内温度を安定。 エアコン効率も良く、光熱費も削減できる。 |
| 🔊 隣や上下階の生活音が気になる | 壁が薄い、構造が軽量鉄骨など遮音性が低い | 構造体の遮音性能が高い住宅や、気密性の高い家で、 音漏れ・侵入音を軽減。防音窓や吸音材も効果的。 |
| 🧺 収納が少ない | 造り付け収納が限られている | 間取り設計で大容量の土間収納・ファミリークローゼットを確保。ライフスタイルに合わせて自由に設計できる。 |
| 👣 子どもの足音に気を遣う | 床の防音が弱い、階下への配慮が必要 | 一戸建てなら上下階の制約なし。 床材や下地を防音仕様にすることで、のびのび暮らせる。 |
| 🚗 駐車場が狭い・高い | 敷地が共有、料金が毎月かかる | 敷地内駐車スペースを設けて、駐車料金ゼロ。 来客用スペースも確保できる。 |
| 🌤 洗濯物が干しにくい | ベランダが狭い、日当たりが悪い | 軒下・ウッドデッキ・ランドリールームなどで、 天気や時間を気にせず干せる。 |
| 🌬 換気・湿気・カビ | 結露や通気不足、断熱不良 | 24時間換気+高断熱サッシ+調湿素材で、 結露やカビを防止。空気の質が改善。 |
| 🎹 在宅ワーク・楽器演奏の音 | 遮音が弱く、苦情が出やすい | 気密性+防音設計の家で、 安心して在宅での仕事や、楽器演奏に集中できる。 |
| 🚪 玄関が狭く物があふれる | 土間収納やシューズクロークがない | 玄関収納・外収納を設け、 ベビーカーやアウトドア用品もすっきり。 |
賃貸で感じる「小さな不便」は、家の“性能”と“設計自由度”でほとんど解決できます。
今の不満をヒントに、「自分たちの理想の暮らし」に必要な性能を考えていくと、後悔のない家づくりにつながります。



最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
知識ゼロからの家づくりを一緒に成功させましょう。









