新築住宅を建てる土地を探している
土地探しの注意点を知っておきたい
費用が高額になりやすい水道工事について知っておきたい
こんにちは!「後悔のない家づくり」をテーマに最新情報を発信している「はぐみ」と「たくみ」です。
家づくりに欠かせない土地ですが、どんな土地がいいか、何に気をつけるべきかよくわからないですよね。
「理想の暮らしを実現できる」土地なら最高ですが、
そのためには叶えたい希望のために使える予算をしっかりと確保する必要があります。
ここでは、あなたの貴重な予算を奪いかねない「水道工事」と「分筆された土地」についてお伝えします。

うちは知らずに購入して実に250万円!費用がUPしました。。
過ぎたこととはいえ、とても大きな後悔ポイントです。
◆新築住宅の水道工事って何?敷地内と敷地外で行う基本工事3種類
まずは、新築の戸建て住宅にかかわる「水道工事」の基本を見ていきましょう。
イラスト付きで解説しているので、わたしたちのように知識ゼロから家づくりを始める方にもわかりやすい内容になっています。
①床下配管工事:キッチン・お風呂などの給水や排水の配管を基礎と土台の間に設置する工事
②屋外給排水設備工事:床下に設置された給水・排水管を上下水道へ接続させる工事
③上下水道引き込み工事:上下水道を敷地内へ引き込む工事





家づくりをはじめるまで全然知らなかったよ。
知らない言葉が多くて不安になるわ。



わたしたちも知らないことばかりでした。ここでは水道工事についてイラストや写真付きで分かりやすくご説明します。
①【床下配管工事】建物基礎の上へ配管を設置する工事(新築の水道工事)
新築戸建て住宅には必須の工事


基礎部分に配管を設置:床下配管工事
赤い配管:温水用の給水配管
青い配管:一般の給水配管
グレーの配管:排水用の配管
床下配管工事とは、キッチン・お風呂などの給水や排水の配管を基礎と土台の間に設置する工事。
床下配管工事のタイミングは、通常「基礎→床下配管工事→土台工事」となることがほとんどです。
基礎工事が終わった後すぐ実施されることが多いのは、大工さんによる家の土台作りが始まると基礎が隠れて配管を通すのに作業性が悪くなるからです。床下点検口から入ることは可能ですが、暗い場所で無理な体勢での作業になるため基本的には行われません。



室内の配管工事の費用の平均は約10万円〜30万円です。
わが家の場合は24万円でした。
②【屋外給排水設備工事】自宅敷地内の工事(新築の水道工事)


屋外給排水工事とは、建物内の給水・排水管を、水道メーターや公共マスまでつなげる工事のこと。
建物と道路の下に埋設されている上水道本管と下水道管をつなぐことで、料理やトイレ、お風呂などの使用や排水処理が可能になります。
屋外給排水工事は新築の際に施工されることが多く、リフォームでも行われることがあります。



屋外給排水工事の費用の平均は約30万円〜60万円です。
わが家の場合は50万円ほどでした。
③【上下水道引き込み工事】道路から敷地内へ引き込む(新築の水道工事)


給水管の引き込み工事
給水管の引き込み工事は、道路に埋設されている水道本管から敷地内へ水道を引き込む工事です。
一般的には、以下の流れで行われます。
・自治体への申請:給水工事を行うには、自治体の水道局に申請が必要。
・水道本管の確認:水道本管が前面道路に通っているか、引き込み可能な状態かを調査。
・工事の実施:指定された工事業者が、道路を掘削し、給水管を敷地内へ引き込む
下水道の引き込み工事
下水道の引き込み工事は、生活排水を処理するための下水管を敷地内に設置する工事です。
・自治体への申請:下水工事を行うには、自治体の水道局に申請が必要。
・前面道路の下水道本管の有無を確認:下水道が前面道路に通っているかをチェック。
・工事の実施:下水管を敷地内に接続し、屋内排水とつなぐ。
・合併浄化槽の設置(必要な場合):下水道が整備されていない地域では、合併浄化槽を設置することもあります。



上下水道引き込み工事の費用の平均は約30万円〜50万円です。
わが家の場合は、実に250万円の高額な工事となりました。
冷静にお伝えしていますがトラウマ級の出来事です。



本当に衝撃のトラブルでした。深く考えると動悸がしてきそうです。
同じ目にあって欲しくないので下記で詳しくご紹介します。
◆知らないとまずい!新築戸建て住宅の水道工事の費用が高くなる事例5選を知って後悔のない家づくりをしよう
水道工事費は、土地の状況や自治体のルールによって大きく変わります。以下のようなケースでは、通常よりも工事費が高くなる可能性があります。
(1)下水道本管が前面道路に通っていない
わが家の場合は分割された土地を購入したため、前面道路に下水道本管が通っていませんでした。
そのため「上水道の引き込み工事」と下水道本管を延長して敷地まで引き込む工事」が必要となりました。
最終的にこの二つの工事で250万円以上の費用がかかりました。
引き込み費用はもともと50万円から60万円を想定していたので、実質は200万円の値上がりです。
新築の資金計画に大きな影響をもたらすトラブルでした。



分割・分筆された土地の注意点や詳しい解説は別の記事であらためてご紹介しますので、興味のある方はぜひご覧ください。※準備中
(2)水道本管が細い、または老朽化している
前面道路に水道本管が通っていたとしても、その本管が細すぎたり、老朽化している場合、工事前に本管の交換が必要になることがあります。本管の交換には自治体との調整が必要となり、追加費用が発生する可能性が高いです。
〈具体的な影響〉
・水圧の低下:既存の本管が細い場合、新しい住宅で十分な水圧を確保できないことがあります。
・配管の耐久性低下:古い水道本管は、経年劣化により破損や漏水のリスクが高まるため、新しい本管に交換する必要があります。
・工事費用の増加:本管の交換が必要な場合、通常の引き込み工事に加えて道路の掘削範囲が広がり、復旧工事のコストも上がります。
(3)敷地内の地盤が特殊で工事が難しい
地盤が岩盤だったり、地中に大きな障害物(過去の埋設物など)がある場合、掘削工事に時間と手間がかかり、通常より費用が高くなります。
〈具体的な事例〉
・岩盤がんばん:掘削が困難で専用の重機が必要になるため、工事費用が大幅に上がる。
・粘土質・軟弱地盤:掘削しやすいが、地盤が崩れやすく補強工事が必要になることがある。
・埋設物の有無:過去の建物の基礎や古い排水管が残っている場合、撤去作業が発生するため追加費用がかかる。予想外の埋設物が見つかる場合もある。
(4)自治体のルールによる制約
自治体によっては、水道引き込み工事の際に特定の業者を指定したり、追加の手続きを求めることがあります。
また、開発区域では負担金として別途費用がかかることもあり想定外の出費がかわむことも。
さらに、一部の自治体では、道路掘削の際に特別な許可や承認手続きが必要となり、手続きが長引くことで工事日程が遅れるケースもあります。



わが家は許可が下りるのに軽く4ヶ月ほどかかり、建物の工期に影響しないかと終始ヒヤヒヤしました。原因は人手不足だったようですが。
都市部では景観保護や環境対策の一環として、地下埋設工事の制約が厳しくなっている場合があります。
特殊な施工が求められることもあるので、購入予定の土地に関わる情報は必死にかき集めましょう。
(5)合併浄化槽の設置が必要な地域


下水道が整備されていない地域では、公共下水道の代わりに合併浄化槽を設置しなければなりません。設置費用は50万〜150万円ほどかかるため、事前に確認が必要です。
合併処理浄化槽とは、トイレや台所、お風呂などから出る生活排水を浄化して放流する施設です。下水道の終末処理場とほぼ同じ高度な水処理が可能です。
〈合併処理浄化槽の仕組み〉
- 浄化槽内には微生物がおり、汚水を分解・浄化します
- 浄化槽には、嫌気ろ床槽、接触ばっき槽、沈殿槽、消毒槽などの部分があります
- 浄化された処理水は消毒槽で塩素消毒され、衛生的に安全な水として放流されます



むしろ我が家は浄化槽を設置したかったです。上下水道の整備された地域なので無理だよと、許可がおりませんでした。(整備されてますか?!)



浄化槽なら50万円ほどで済んだのに、本管延長の250万は全額自腹でした。(せめて補助があれば!)
◆ 水道工事費を抑えるためのポイント4選:後悔のない家づくり
水道工事の費用を抑えるためには、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
(1)土地を購入する前に水道・下水の状況を確認する
自治体の水道局や不動産会社に、水道本管・下水道本管の位置を確認しておく必要があります。
土地のすぐ前の道路に上下水道の本管があるかどうかはとても重要です。自ら自治体に確認することを強くおすすめします。
なぜなら「全面道路に本管がある。」と言われていても後から「やっぱりなかった。」と言われることもあるからです。疑うことなく信じてしまうとわが家のように痛い目にあってしまうかもしれません。
結局のところ、自分の土地の責任は自分にあるので間違いがあっても不動産会社もハウスメーカーも誰も責任は取ってくれません。(土地の本契約前に判明したため、ささやかですが土地費用の値引きに応じてもらえました。)
不動産会社は土地を早く売りたい、ハウスメーカーは早く土地を決めて家を建てて欲しい。売りたいがために時には根拠にないことも言ってしまうこともあるようです。わかっていたつもりで甘えていたことを反省しています。



どんなに欲しい土地でも、どうか冷静になってください。
確認できなければ買わないというくらいの気持ちでいるとトラブルを回避しやすいと思います。
(2)見積もりを複数業者から取る
指定業者でなければならない場合を除き、複数の業者から見積もりを取得し、比較する。



ハウスメーカーからは指定業者への見積もりしかできず、自分たちで自治体の業者へ連絡を取りました。
自治体認定業者4社へ連絡しましたが、個人では相手にされずメール1本返ってきませんでした。
もし相見積もりを取れても、人件費などもあり値引きは難しいと理解していました。しかし相場を確認して安心したいという希望さえ叶わないとはとても驚きました。
何事も経験しないとわからないと言いますが、家づくりには本当にたくさんの「知らなかった!」が溢れています。
(3)補助金制度を活用する
自治体によっては、下水道延長や合併処理浄化槽の設置に補助金が出ることがあります。念のため確認してみるといいかもしれません。
・鎌倉市(神奈川県)・加須市(埼玉県)・静岡市(静岡県)・一関市(岩手県)
など一部の地域では延長工事に補助金が設定されていますが、もろもろの条件をクリアする必要があります。
(4)隣接する土地の所有者と相談する
近隣の家も同じ問題を抱えている場合、共同で工事を依頼することで費用を抑えられることもあるようです。


★我が家の水道工事費用を公開します!実際の金額と水道工事の相場
工事内容 | 標準費用 | わが家の場合 |
---|---|---|
床下配管工事 (建物内の給排水管工事) 必須度★★★★★ | 10万~30万円 | 26万円 |
屋外給排水設備工事 (敷地内の給水・排水管敷設) 必須度★★★★★ | 30万~60万円 | 55万円 |
上下水道の引き込み工事 (前面道路から敷地内へ給水・排水を接続) 必須度★★再利用できれば必要なし | 20万~60万円 | 58万円 |
下水道本管延長工事 必須度★前面道路に本管あれば必要なし | 地域によって差が大きい 1mあたり数万円〜数十万円 | 198万円 |
費用合計 | 60万円〜150万円 | 337万円 |



総額300万円越え!住宅を建てる上で外せない工事もありますが、なんとも手痛い出費でした。
わが家はそれなりに年数のたった住宅街にあり、新しく開拓された土地を購入したわけではありません。もともと建物のあった土地を分割(分筆)した土地のひとつだったので、まさか下水道が前面道路に通っていないとは考えず高額な出費を余儀なくされました。
もう一方の土地を購入された方は、上下水道の敷地への引き込み工事も下水道本管の延長工事もしなかったのではないかと思います。土地自体には大きな金額差がなかったことを考えると、水道工事で命運が別れてしまったなと感じています。
気になった土地が分割されていたり、購入の気持ちが固まったらぜひ自治体の水道局や下水道課で確認してみてくださいね。かなり面倒ではありますが、一番確実な方法です。
今回は高額になりやすい水道工事について、経験談を交えてお伝えしました。知っていれば避けることのできる土地も多いので参考になれば幸いです。



ご覧くださってありがとうございます。
後悔のない家づくりができるように、陰ながら応援しています!